睡眠時無呼吸の検査と診断

「適切な診断のもとで正しい治療を行えば、ほとんどの睡眠障害は解消できます」。オレンジ郡睡眠センターのウェスリー・E・フレミング博士はそう語ります。

検査の開始:睡眠時無呼吸の検査を受けるには

ステップ1

睡眠に関する問題がある、いびきをかく、睡眠時無呼吸や呼吸器系の不調が疑われるなどの場合には、その事実を軽視せず、以下のように対応することをお勧めします。

まずは、自分の症状を把握しましょう。
今抱えている症状は、睡眠時無呼吸でよくみられる症状に該当しますか。

次に、睡眠時無呼吸の検査について、担当医に相談してください。検査には、スリープラボに一泊して行われる検査(終夜睡眠ポリグラフィー、またはPSG)と在宅睡眠検査(HST)があります。

臨床睡眠検査の選択肢を把握する

ステップ2

ご自身が睡眠時無呼吸ではないかと不安に感じたら、医師の診察を受け、症状について相談してください。睡眠時無呼吸などの睡眠関連の問題が疑われる場合は、担当医が睡眠検査の指示を出します。正しい診断が適切な治療を導き、健康の改善につながります。

  • スリープラボでの検査

睡眠専門クリニックや病院で、医療スタッフが患者さんの体に睡眠モニタリング用のセンサーを取り付けます。睡眠中の行動を詳しく確認するために、患者さんに許可を得たうえで、睡眠検査の様子を撮影することもあります。撮影することで、睡眠中に異常な行動(寝言や歩行など)をしていないか、あるいは夜間に発作を起こしていないかを調べます。

  • 在宅睡眠検査

在宅睡眠検査(HST)は、睡眠専門クリニックや病院での診察後、自宅で受けることができる検査です。在宅睡眠検査の実施に先立って、医療従事者がセンサーやモニターの取り付け方と夜間記録装置の使い方を説明してくれます。

在宅睡眠検査を実施する夜は、普段と同じように過ごし、寝る準備をして、説明を受けた機器類をすべて取り付けたら記録を開始します。翌日の朝に、事前の指示に従って機器を取り外し、睡眠専門クリニックまたは病院に記録装置を返却します。

睡眠時無呼吸の程度

軽度の睡眠時無呼吸
睡眠1時間あたり、呼吸停止が5~14回起きている。

中等度の睡眠時無呼吸
睡眠1時間あたり、呼吸停止が15~30回起きている。

重度の睡眠時無呼吸
睡眠1時間あたり、呼吸停止が30回以上起きている。

睡眠時無呼吸と診断されたら

睡眠時無呼吸と診断された場合、担当医の多くは、患者さんが夜間を通して健康な睡眠をとることができるように、CPAP療法を処方されるでしょう。軽度または中等度の睡眠時無呼吸の場合は、下あご前方整位型装置(MRD)が処方されることもあるかもしれません。また、体重を落とす、飲酒の量を減らすなど、生活習慣の改善を提案されることもあります。

睡眠時無呼吸ではないと言われたにもかかわらず、その後も不十分な睡眠や睡眠時無呼吸の症状に悩まされる場合は、担当医に相談してください。また、レスメドが提唱する健康な睡眠習慣のコツもご確認ください。

 

睡眠検査やその結果に関してよく使用される医学用語

    • 無呼吸: 睡眠中に呼吸が停止した状態。閉塞性睡眠時無呼吸の場合は、気道が完全に塞がり、空気が肺に入らなくなっています。
    • 低呼吸: 胸部と腹部の動きの微弱化が関連して、呼吸で流れる空気の量が30%以上減少し動脈血酸素飽和度が3%(メディケアのガイドラインでは4%)以上低下した状態1
    • 無呼吸低呼吸指数(AHI): 睡眠1時間あたりに発生した無呼吸と低呼吸の回数。睡眠時無呼吸の重症度を判定する際に使用します。成人の場合、5~15回なら軽度、15~30回なら中等度、30回超なら重度の睡眠時無呼吸であるとされます2
    • 在宅睡眠検査: 睡眠時無呼吸などの睡眠障害を自宅の寝室で確認できる簡便な検査。在宅睡眠検査は、クリニックなどの施設で実施されるPSG睡眠検査の代わりに行われることがあります。
    • 終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)睡眠検査: 血中酸素濃度、心拍、脳波、眼の動きなどを測定する詳細な睡眠分析。PSG睡眠検査は通常、スリープラボなどの施設で実施され、EEG、EMG、EOG(下記参照)などの測定が行われます。
    • 脳波(EEG): さまざまな脳領域内または領域間で発生した電気的変化の記録。脳波は睡眠段階によって大きく変化します。睡眠の専門家は、脳波の測定結果から睡眠パターンを把握し、分断睡眠を特定することができます。
    • 筋電図(EMG): 筋肉系で発生した電気的活動の記録。筋肉の活動や緊張は睡眠の段階によって異なる傾向があります。EMGは睡眠の質と量を把握するために使用され、周期性四肢運動障害の診断に用いられることもあります。
    • 電気眼振図(EOG): 眼内で発生した電気的活動の記録。EOGは睡眠中の眼球の位置と動きを追跡します。無意識的な眼球運動は睡眠の段階によって大きく変化するため、EOGでは各睡眠段階の時間を測定することができます。
    • 呼吸障害指数(RDI): 睡眠1時間あたりに発生した呼吸障害の回数。この指数はAHIによく似ていますが、呼吸努力覚醒(RERA: Respiratory Effort Related Arousal)を含みます。RERAは無呼吸や低呼吸の分類基準を満たさない分断睡眠です3

治療するメリット

睡眠時無呼吸の治療は、睡眠の改善、活力の増進、全般的な健康状態の向上につながります4。いつのまにか、快調な日々を送ることができるようになっているかもしれません。

こちらの男性は、睡眠時無呼吸の治療がどのように自分の人生を変えたか、なぜ健康管理が重要かについて語っています。

患者さんが語る、睡眠時無呼吸治療の体験と経緯

参考資料

  1. Berry, R.B., et al., Rules for scoring respiratory events in sleep: update of the 2007 AASM Manual for the Scoring of Sleep and Associated Events. Deliberations of the Sleep Apnea Definitions Task Force of the American Academy of Sleep Medicine. J Clin Sleep Med, 2012. 8(5): p. 597-619.
  2. Osman, A.M., et al., Obstructive sleep apnea: current perspectives. Nat Sci Sleep, 2018. 10: p. 21-34.
  3. Iber, C., Ancoli-Israel, S., Chesson, A., and Quan, S.F. for the American Academy of Sleep Medicine, The AASM Scoring Manual for Scoring of Sleep and Associated Events: Rules, Terminology and Specifications. American Academy of Sleep Medicine, 2007. 1st Ed (Westchester, Illinois).

4. Campos-Rodriguez, F., et al., Continuous Positive Airway Pressure Improves Quality of Life in Women with Obstructive Sleep Apnea. A Randomized Controlled Trial. Am J Respir Crit Care Med, 2016. 194(10): p. 1286-1294.