肥満低換気症候群(OHS)

OHSの症状と治療法についてご説明します。

 

 

肥満低換気症候群(OHS)とは

病名から分かるとおり、OHSは通常、過体重または肥満の方に見られる疾患です。

低換気とは、呼吸が浅い、もしくは遅い状態です。この疾患の患者さんは呼吸に大変な労力を要するので、呼吸器系が疲弊します。その結果、二酸化炭素濃度が非常に高くなり、酸素濃度が非常に低くなる可能性があります。OHSかどうかは、動脈血ガス分析により容易に診断することができます。

OHSの患者さんには、以下の症状が現れることがあります。

  • 息切れ
  • 日中の過度の眠気(EDS)
  • 起床時の頭痛
  • 抑うつ

OHSの治療が重要な理由

深い呼吸ができなくなれば、好きな活動に十分取り組めなくなるだけでなく、ご自身の臓器に大きな負担を与えることにもなります。

OHSを治療せずに放置した場合に、次のような結果を生じる可能性があります。

  • 心臓の右部分の心不全1
  • 肺高血圧症(肺動脈において血圧が通常より高くなる疾患)1
  • 多血症(循環赤血球の数が異常に多くなる疾患。真性赤血球増加症とも呼ばれます)1

OHSは重大な健康被害をもたらす可能性があるため、早期診断と治療が必要な病気です。

すでにOSAの治療を受けているにもかかわらず、昼間の眠気や頭痛が持続する場合は、医師に相談してください。

肥満低換気症候群の治療法

OHSは、管理された減量プログラムに取り組み1、気道陽圧法または非侵襲的換気(NIV)を受けることで、効果的に治療することができます2。以下の検査により、担当医が患者さんの状態をモニタリングすることもあります。

OHSの患者さんに対して換気療法を実施する目的は、肺内の酸素と二酸化炭素の交換を促進すること3と、患者さんの呼吸が楽になるように呼吸器系を補助することにあります4。換気療法では、ベッド脇に置かれた小型の装置から、患者さんの口や鼻を覆うマスクに加圧した空気を送ります。NIVはOHSの一般的な治療法です2

参考資料

* この検査は、動脈血の酸性度、酸素量、二酸化炭素量を測定し、肺が血液中に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する機能の状態を明らかにします。

    1. Parameswaran, K, Todd, DC, Soth, M . Altered respiratory physiology in obesity. Can Respir J 2006;13(4): 203-210.
    2. Storre JH, Seuthe B, Fiechter R, Milioglou S, Dreher M, Sorichter S, Windisch W. Average volume-assured pressure support in obesity hypoventilation: A randomised crossover trial. Chest 2006 Sep; 130(3): 815-21.
  1. Olson AL, Zwillich C. The obesity hypoventilation syndrome. Am J Med 2005 Sep; 118(9): 948-56.
  2. Nowbar S, Burkart KM, Gonzales R, Fedorowicz A, Gozansky WS, Gaudio JC, Taylor MR, Zwillich CW. Obesity-associated hypoventilation in hospitalised patients: prevalence, effects, and outcome. Am J Med 2004 Jan 1; 116(1): 1-7.